前日までの準備が肝!不測の事態にも対処できるゆとりを持つ

概要

引っ越しの際に引っ越し業者に依頼する人は多いと思います。現在では多くの業者が様々なサービスを提供しており、予算や目的にあったサービスの選択が可能となりました。荷造りから搬出・搬入すべてを業者に任せるコースや、荷造りはまでは自分でまとめ、荷物の搬出・搬入を業者に頼むものなど、その内容は様々です。さらに午前便・午後便と時間帯も選べますから、大変便利です。
どの引っ越しにも言えることですが、引っ越しは前日までの段取りが肝心です。初めて引っ越しする場合には、うまく段取りを組めず、荷造り作業が予定よりも遅れてしまうケースがあります。そうした場合、自分以外の引っ越しへ影響が出てしまうこともありますので、そうした失敗をしないためにもしっかりと段取りを組み、予定までに荷造りは終わらせましょう。

失敗事例

AさんはS社へ引っ越しを依頼しました。なるべく費用を節約したいと思ったAさんは、荷造りを自分で行うコースを選択しました。さらに午前便と午後便では引っ越し料金に差があるということがわかったので、費用の安い午後便でお願いしました。午後のどの時間に引っ越しが行われるのか、それは当日連絡が来ることになっています。仕事と並行しての引っ越し準備はとても大変でしたが、何とか予定通り荷造りは終わりそうです。引っ越し当日はバタバタ忙しくなりますから、早めに荷造りを終わらせ、夜も早めに休み引っ越し当日を余裕をもって迎えました。
同じころ、BさんもAさんと同じ業者、同じ日付での引っ越しを依頼しました。Bさんは少しでも早い時間帯に荷物の搬入を終わらせたいという思いから、午前便を選択。それでも少しは費用を節約しようと、荷造りは自分で行うコースにしました。しかし物事を後回しにする傾向のあるBさん、荷造りは思うように進みませんでした。明日やろう、明日は頑張ろうと思ううち、引っ越し当日が迫ってきました。ギリギリになって慌てて荷造りを急ぐも、今度は荷造り用の段ボールや梱包テープが足りないことに気付きます。資材を買いに行こうと思っても、ホームセンターの営業時間は過ぎており、明日でなければ購入できません。そうした段取りの悪さや準備不足が重なり、引っ越し当日までに荷造りを終えることができませんでした。この状態では引っ越し作業はスムーズに行うことができません。どんなに頑張って残りの荷造りをしても、あと数時間は必要。やむなくBさんは引っ越し業者に連絡し、午前便の指定を午後に変更してもらうことにしたのです。
その同じ日の朝、Aさんの携帯に着信がありました。電話の主は引っ越し業者。まだ午前8時だというのにどうしたのだろうと思いながらも電話に出ると、他の引っ越し予定の人の作業時間が午後に変更になったため、午後便の契約だったが午前に作業しても良いかという確認の連絡だったのです。Aさんは午後便で引っ越しの予定でしたが、前日までに荷造りを完璧に終わらせていたので、午前に引っ越しを終わらせ、午後はゆっくりと新居で荷解き作業を行う事ができました。Aさんにとっては嬉しい誤算となり、当初予定していたよりもゆとりをもって荷解きができ、翌日からの仕事に備えることができました。
Aさんが引っ越しを終えたころ、Bさんは午前に引っ越し作業を行う予定が自分の段取り不足で大幅に遅れ、引っ越しが午後になってしましました。当初予定していた荷解きをゆっくり行う時間もなく、荷物に埋もれた状態でその夜を過ごすことに。明日の朝には会社に出勤しなければいけません。疲れ果てた状態でその夜は床に就きました。Bさんは、自分の引っ越しが午前から午後に変更になったため、Aさんの引っ越しが午後から午前に変更になったことは知りません。自分の予定が狂うだけではなく、他人の予定にも影響があることを考えていなかったのです。

正しい対応・解説

引っ越し業者の1日に扱う件数が1件だけのことは殆どなく、1日に数件の引っ越しを掛け持ちします。繁忙期といわれる時期には、びっしりと引っ越しの予定が朝から晩まで詰まることも珍しくありません。顧客の希望に合わせてスケジュールを組みますので、その予定が崩れると、必然的に他の顧客の予定を変更せざるを得なくなるのです。
こうした失敗をして他の引っ越し作業に迷惑をかけないためにも、荷造りは必ず前日までに終わらせましょう。引っ越し当日はどうしてもバタバタと忙しくなりますので、少しでも時間的な余裕を持ちたいものです。午後便で依頼している場合でも、他の引っ越し作業との兼ね合いで、突然午前に引っ越しが変更になるケースもあります。もちろん業者から確認の連絡は必ず入りますから、時間変更が無理であれば断る事も可能ですが、荷造りが終了していればこうした変更にも即座に対応でき、予定よりも早い時間での引っ越しが可能となる場合もあるのです。何が起こってもゆとりがあれば冷静に対応できます。逆に、何が起こっても対応できるだけのゆとりを持った行動をする事で、失敗やトラブルを回避できるのです。

転ばぬ先の杖!

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