ちょっと待って! 最後まで梱包してはいけないもの

概要

本当にこれで大丈夫?
初めての引っ越しは分からないことだらけ。たくさんの手続きに荷物の梱包、新居に合わせて必要な物を購入しなければならいなど、期日までに完了させなければいけないことは山ほどあります。だいぶ余裕をもって準備し始めたのに、気づいたらもう来週は引っ越しの日。忙しい毎日を送りながらの引っ越し準備は思いのほか重労働であり、予想をしているよりもはるかに時間がかかります。何度引っ越しを経験していてもその度に新しいドラマがあり発見のある引っ越し。そんな引っ越し経験者なら頷いてしまう、引っ越しでありがちな失敗を防ぎ、引っ越しを楽しい思い出にして下さいね。

失敗事例

Aさんは今月、人生で2度目の引っ越しを控えています。初めての引っ越しは大学生になった時。初めて実家を離れ、大学近くのアパートでの一人暮らしをはじめた時です。しかし実家の両親が手配や準備の殆どを手伝ってくれたため、引っ越しの時の詳細をAさん自身はあまり覚えていません。今回はそのアパートを引き払い、就職先の都道府県へ引っ越すことになりました。今回は両親の都合がつかず、Aさんは引っ越しの準備すべてをほぼ一人でこなさなければなりません。前回両親に頼りっきりだったAさんは、少し不安な気持ちを抱えながら準備を進めたのでした。
引っ越し先までの移動距離がかなりあるため、AさんはS社へ引っ越しの依頼をします。なんとか自分の希望の日時で手配ができ、業者から梱包資材も貰いました。あとは指定の日時までにこの荷物を梱包し、不用品をしっかりと処分してしまわなければなりません。それと同時進行で、アパートの解約手続きや電気・ガス・水道の手続き、インターネットの手続きなど事務的な手続きも行う必要があり、Aさんはしなければいけないことをリストアップし、一つひとつを確実にこなしていったのでした。
自宅の荷物の梱包も毎日のノルマを決め、引っ越し間近になってから慌てなくても良いように、しっかりと段取りを組みます。普段あまり使っていないものを先に梱包し、今後使う予定の無いものは捨てたりリサイクルショップに売ったりして、着々と準備を進めてゆきました。親しくしている友人の中に引っ越し業者でアルバイトの経験がある男性がいたため、そうした友人の力も借りながら効率的に作業を進め、引っ越し前日までに梱包を終えることができたAさん。友人に聞いた通り、不用品は確実に処分し、梱包は前日までに終わらせる。何とか予定通りに進んだので、あとは業者の到着を待って新居での荷解きに備えるのみです。
そして引っ越し当日、引っ越し業者が到着し驚くほどのスピードで荷物がトラックへ積み込まれていきます。普段動かすことのなかった家具も積み込まれ、そのあとには広い空間とわたぼこりが残されていたのでした。家具と壁の隙間には予想もしなかった量のほこりがたまっており、さすがにこれを放置したまま引き払うことはできません。不動産業者との立ち合いも控えていますから、業者が到着する前までにそれを掃除しようと思い、Aさんはとんでもない失敗を犯したことに気づきました。何と掃除道具はすべえて梱包され、トラックの中に積み込まれていたのです。掃除機や雑巾、雑巾バケツといった用具すべてはすでにトラックの中。今更荷物を下ろしてほしいとも言えず、Aさんはあわてて近くのコンビニに駆け込み、掃除に使えそうな道具を購入してきました。フローリングワイパー用のウエットティッシュで何とか拭き掃除を行い、目立つほこりを掃除。コンビニで購入してきたゴミ袋にそれを捨て、立ち合い予定の時間ギリギリになって何とか部屋の清掃を終えたのでした。

正しい対応

荷造りも完璧だしこれで問題ない、そう思っているあなた、最後の最後まで使う荷物の行方はどうなっていますか。部屋を引き払う時に掃除が必要なことを忘れ、掃除機などの清掃用具をすべて梱包してしまうといった失敗はよくあるケースです。さらに自分で運ぼうと思っていた貴重品等の荷物を、気が付いたら業者に積み込まれてしまっていたといったケースもあります。
清掃用具は部屋を引き払う前に必ず必要になります。どんなに完璧に掃除したつもりでも、取り切れないほこりや汚れが出てくるものです。ですから掃除用具一式は最後まで梱包せず手元に置いておきましょう。段ボール等にまとめて入れておく場合でも、ふたをせず開けたままにし、使用するのでトラックに運び込まないよう事前に引っ越し業者へお願いしておきます。段ボールの箱に、マジックでそうしたことを書いておくのも大切です。引っ越し業者が荷物をトラックに積み込むスピードは目を見張るもの。気が付いたらあっという間に積み込みが完了していたということはよくあります。

解説

様々なドラマがある引っ越し。引っ越し経験の少ない人でも、ちょっとしたコツで楽しく乗り切ることができるものです。コツとポイントを抑えた引っ越しでトラブル知らず。これから引っ越しを予定している人も、そうではない人も、是非覚えておいて参考にしてくださいね。

  • 荷物を積み込んだ後の部屋の掃除のことを考えていなかったため、掃除用具をトラックに積み込んでしまった。結果、無駄に掃除用具を購入し、不動産業者との立ち合い時間ギリギリまで掃除をすることとなった。

 

転ばぬ先の杖!

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