丁寧なのに失礼?電話応対でありがちな失敗

取引先の要望や要件などを直接受ける電話応対は、ビジネスマナーにおいて非常に重要です。一つの電話応対の失敗が取引先を失うことになりかねません。どんなに丁寧でも、相手にとって不快に感じたらそれはマナー違反です。では、どんな電話応対がマナー違反になるのでしょうか。

☆不快感を与えてしまった電話応対
新規のお客様からの、注文の電話をお受けしました。要件などをお伺いしたのですが、声が小さく非常に早口の方だったので、うまく聞き取れませんでした。「すみませんが、もう一度お願いします」と再度たずねましたがやはり聞き取れません。そこで「お声が小さいので、もう少し大きな声でゆっくりお話しいただけますか」と何度かお願いしたところ、「もう結構です」と電話を切られてしまいました。

☆「もう少し大きな声で…」はマナー違反
声の大きさなど話し方に対する指摘や要求は、時に「会話が通じない原因はそちらですよ」と注意されたように伝わります。このため、お客様は自分の話し方を非難されたと感じて不快に思ったのです。また、時間がなくて焦っていたので早口で話していた可能性があります。すぐに解決策が示される可能性が低いと判断すれば、時間に制限があるお客様は要件を諦めざるを得ません。

☆相手の状況に合った適切な対応を
「少し電話の調子が悪いようなので…」、「こちらの電話に雑音が入るようなので…」など、原因は電話の通信トラブルなどのせいにすると相手に受け入れられやすいでしょう。聞こえにくい事を理解すれば、相手も自然と伝わりやすい話し方を意識します。また、応対の難しい電話で相手が急いでいる様子なら、すぐにベテランの人に交代してもらうなど素早い対応を心がけましょう。

☆聞き取れないことが申し訳ない!という姿勢が大事
電話の音声は、慣れないうちは多くの人が聞き取りづらく感じるものです。しかし、一生懸命聞こうとするあまり相手の話し方を非難するような言葉は控えましょう。相手も一生懸命話していることを理解し、聞き取れなくて申し訳ないという気持ちを伝えることが必要です。電話では表情や仕草が見えないので特に言葉選びには注意を払いましょう。聞こえないからといって「もしもし?」などと繰り返すのも相手に失礼です。また、こちらが聞こえていなくても、相手にはこちらの声が聞こえている可能性があります。不用意に発言したり、何も言わず電話を切ったりせず「音声がこちらに通じていないようなので、申し訳ありませんが一旦電話を切らせていただきます」などと伝えてから電話を切りましょう。

転ばぬ先の杖!

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