見積書を鵜呑みにすることなかれ! 持ち込み料が含まれていなかった

概要

結婚式の資金について不安があったEさんとFさんは、実際にどのくらい費用がかかるのか確かめてみようと結婚式場で実際に見積書を出してもらいました。
ギリギリだとはいえ現在払える予算の範囲内だったことから結婚式の準備を始めていましたが、式が近づくにつれ費用の面で思いもしない落とし穴が待ち受けていました。

失敗事例

EさんとFさんは既に入籍はしていましたが金銭的な面から結婚式はお金が貯まってからと決めていました。しかし、Fさんが友人の結婚式に出席した際に、友人夫婦がみんなから祝われている様子を見て幸せになり、かつ、うらやましくもありました。
漠然と結婚式に向けて貯金に勤しんでいましたが、実際に必要な金額を把握しているわけでもなく、一度金額だけでも出してもらおうと結婚式場で相談し、必要最低限の条件で見積書を出してもらいました。すると、現在の貯金からなんとか賄える金額であることがわかり、EさんとFさんは喜びとともに結婚式を挙げる計画を進めていくことにしました。
そして三度目の最後の打ち合わせの時に思いもしない出費がかかることが判明しました。
余興について詳細な打ち合わせをしたときのことです。Eさんの友人たちによる楽器の演奏を予定しており、楽器の配置や音響、コンセントの位置の打ち合わせをしていましたが、スタッフの方に持ち込み料という料金が発生する旨を伝えられました。それも複数の楽器であったことから、数千円どころではなく、数万円かかるとのことでした。
予算を超えてしまったことから他の部分を削ろうと思いましたが、「はじめの見積もりが必要最低限の条件で組んでいることから、食事や衣裳など削りようがない」とスタッフには言われてしまいました。
最終的には式までの間の倹約とFさんの両親からの少額の借銭によりなんとか費用を捻出できましたが、式当日のEさんの友人たちによる余興をFさんは複雑な思いを感じずにはいられませんでした。

正しい対応

EさんとFさんは、最初に見積書を出してもらった段階で、見積もり以外にはどういったことで別料金がかかるのか確認をすべきでした。今回の見積書では招待人数と衣裳、食事のコースと引き出物といった何項目かをヒアリングした上で出されたものでした。つまり、EさんFさん夫婦と式場側が細部まで擦り合わせをした状態ではなかったため、結果的に金銭面でズレが生じてしまったのです。
あらかじめ別途費用の項目を確認するなどしておけば、対策の余地は残っていたことでしょう。最終打ち合わせで別途費用がかかることが判明した場合は、なかなか変更がしずらくなっているので要注意です。

解説

結婚式の費用は式場やプランによってまちまちです。今回の事例では持ち込み料が発生しましたが、近年では持ち込み料がかからない式場も増えてきています。早い段階で式場スタッフに持ち込み料を含めた別途費用がかかる項目を確認しておくと安心です。
別途費用がかかることがある項目
・料理のグレード
・フリードリンク
・サービス料
・ブーケの個数
        等々
主な持ち込み料がかかる項目
・衣裳代
・引き出物
・司会
・カメラマン
・映像演出
・楽器
・会場装花
        等々

転ばぬ先の杖!

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