出身地が異なる新郎新婦の場所選び

概要

出身地が異なる新郎新婦が結婚式の開催場所をめぐって失敗しました。
今回の事例では、新郎の出身地と新婦の出身地、さらには現在のふたりの居住する東京の3ヵ所が候補地として考えられましたが、最終的には新郎の出身地で開催されました。
その際に起こった失敗について詳細を見ていきましょう。

失敗事例

神戸出身の新郎Aさんと仙台出身の新婦Bさん。ふたりはともに大学入学を機に上京し、在学中に知り合い、付き合うことになりました。交際は卒業後も続き、たがいに都内で会社勤めをしている状況で結婚を決めました。
AさんとBさんは、現在の活動拠点である東京で結婚式を挙げたいと考えていましたが、Aさんの実家へ挨拶で訪問した際にAさんの母親から、「Aさんの祖父が高齢で、東京や仙台で式を挙げる場合には、長い時間の移動になるため出席できない。Aを可愛がってきた祖父が結婚式をとても楽しみにしているから、是非、神戸で挙式をしてほしい」と言われ、AさんとBさんは喜んでもらえるならと神戸で式を挙げることに決めました。
神戸で結婚式の準備を進める中で困ったことは、遠距離であるために、プランナーとの打ち合わせをするのが大変だったことです。AさんBさんは、聞き忘れることがないようにと、前日に相談内容や要望をリストアップし、一度で打ち合わせが進むよう心がけました。衣裳選びについては、じっくり選んでいる時間を確保することができず、Bさんは「このドレスでいいか」と妥協してしまったところがあります。通常は式までに4回の打ち合わせをしているらしいのですが、3回で済ませたために仕方がありませんでした。
結婚式当日については、AさんとBさんそれぞれの会社の上司にスピーチを依頼していたので、神戸まで来てもらったことについて申し訳なく感じていました。また、披露宴のスタートが夜だったため、それぞれ会社の上司や友人など、出席者が最終の新幹線で東京に戻ることができず、宿泊が必要となり、時間をとらせてしまいました。Bさんの親族からも「仙台から東京ならまだわかるけど、神戸は遠い」という不満がBさんの両親に寄せられてしまったようです。

正しい対応

結婚式の出席者は6割ほどが東京からの出席となり、新婦側の親族は仙台から神戸まで移動することになりました。AさんとBさんは出席者の大半が長距離移動となる負担をイメージできていませんでした。披露宴を夜に開催したことで出席者に時間面で負担をかけましたし、宿泊費をAさんBさんで負担したので費用負担も膨らみました。
今回の事例のように、夫婦ともに生活拠点が同じ地域にある場合には、打ち合わせや出席者の利便性などから、生活拠点がある地域で式を挙げるのが負担の少ない方法です。新幹線や空港などから近いホテルなどを式場と宿泊施設として選べば、遠方からの出席者の負担も軽減できるのではないでしょうか。
結婚式をどこで行うかは大きなポイントなので、新郎新婦のほか両家も交えて、時間をかけて調整することが望まれます。

解説

結婚式を挙げる場所は、両家の意向を確認したうえでふたりの生活拠点や出席者の利便性に配慮して決めると、打ち合わせや費用面の負担が少なくなります。披露宴の時間帯は遠方からの出席者に配慮して、当日中に帰宅できるように調整しましょう。披露宴に出席できない親戚がいる場合には、披露宴のあと両家に近い地域でそれぞれ食事会を行うなどといった方法もあります。また、会社や生活拠点から遠い地域で披露宴を開催する場合には、招待客の人数を少なめに絞り、後日改めて友人や同僚を招いて食事会を行うのもおすすめです。

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