ガーデンウエディングの季節を考えて!

概要

「挙式は憧れのガーデンウエディングにしたい」、Uさんの希望を叶えるべくTさんとUさんは結婚式の計画を立てていました。
式場を見学するうちに理想のガーデンウエディングを併設した会場を見つけることができましたが、困難が待ち構えていました。

失敗事例

TさんとUさんはせっかくの晴れ舞台である結婚式を、Uさんがかねてから切望していたガーデンウエディングですることに前々から決めていました。
Uさんは西洋庭園が大好きで全国各地を見て回っており、こだわりを人一倍強くもっていました。中でも広大な平地で幾何学的な感じのフランス式庭園が好みでした。スケール的な大きさと理路整然とした雰囲気の中、ビスタをバージンロードに見立てて歩く、そんな光景を思い描いていました。
実際に結婚式場を見学して周りましたが、1件だけUさんの気に入った理想のガーデンウエディングができる会場を見つけることができました。
しかし、珍しいフランス式庭園でのガーデンウエディングということもあり、人気がある式場で1年以上先まで予約が埋まっていました。
既に入籍を済ませていたこともあり、どうしても早く式を挙げたかったTさんとUさんは早い時期に式場の空きがでないかどうか再度確認したところ、「2月上旬でしたら今も空きはあるのですが、ガーデンウエディングでの挙式はあまりお勧めしていません」とのことでした。
春と秋の繁忙期は1年以上予約が入っているから待っていられないし、せっかく空きがあるのなら、と2月上旬の日取りで予約をしました。予約を入れたのが11月上旬だったこともあり、3ヵ月の適度なスケジューリングで進めることができると喜んで準備を進めていきました。
式の前の週には寒波が押し寄せ、普段積雪がない地域ですが、2~3cmの雪が積もりました。「この量なら来週の結婚式当日に交通機関が麻痺することはないだろうし、逆に積雪が一面を銀世界にしてくれるかもしれないね」、式当日の天気予報が晴れであることを確認しながら、SさんはUさんと話をしました。
待ちに待った結婚式当日、幸い天候に恵まれました。しかし2月の上旬、真冬の寒さは想像を越えていました。参加者は野外に出る際に式場が準備したコートを借りることができましたが、女性陣はパンプスにストッキング、融けかかった雪で地面はぐしゃぐしゃ、フランス式庭園どころではありませんでした。
TさんとUさんは参加者にたいて申し訳ない気持ちとなり、悔やんでも悔やみきれませんでした。

正しい対応

失敗のポイントは、優先すべきことを間違えたところにあります。ガーデンウエディングをやりたいのであれば、それに適した季節まで待つべきであり、早く式を挙げたかったのであれば、ガーデンウエディングは諦めるべきです。二兎を追った結果、共倒れとなりました。
また、ガーデンウエディングの理想が高すぎたことも問題でした。野外でのイベントをメインにしていたため、参加者を長時間、寒空の下に立たせることになってしまいました。冬にガーデンウエディングをしたいのであれば、できるだけ室内のイベントをメインにするべきでした。

解説

今回の事例では、TさんとUさんが憧れの結婚式を挙げることを目的と化してしまい、祝ってくれる親族や友人たちをもてなすということをおろそかにしてしまったことに失敗の要因があります。TさんとUさんの2人だけで挙式をするのであれば、どんなに苛酷な環境でも問題ないでしょう。しかし、せっかく自分たちの結婚を祝福してくれる方々をお招きするのですから、相手の気持ちに立ったおもてなしが必要です。
一般的には、春と秋が結婚式にはおすすめの季節です。特にガーデンウエディングや野外でのイベントをやりたいと思っているのであれば、参加者の立場に立って考えて、過ごしやすい季節に執り行うと良いでしょう。
何らかの事情で真夏や真冬に開催することがあるかもしれませんが、そういったときには、できるだけ参加者の負担にならないような演出を心がけましょう。
集合写真を室内で撮るようにするだけでも、心配りは伝わります。また、冬場に野外でイベントをやる際は、コートを着用してもらったり、暖房器具を準備したりするなど、できることはいろいろあります。自分たちがやりたい演出とゲストの負担のバランスを考えながら、プログラムを考えていきましょう。
 

転ばぬ先の杖!

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